開業するときの心構え

はじめに

1年に1回程度、開業について質問されることがあります。

正直、特別なことをしていませんし、インターネットや書籍で調べたら出てくる情報の範囲でしか活動していません。

ただ、身近に開業している人は少ないでしょうし、人生の分岐点として開業するので、不安が強くなるのかもしれません。

そのため、今まで私が行ってきた開業についてのあれこれをまとめてみたいと思います。

ただ、これは私の実体験であり、サンプル数は1なので、過度に一般化するのは危険です。

参考程度に、「こんなものか」ぐらいに思っていただければ幸いです。

とりあえず本を買って、読む

開業しようにも、どこから手をつけて良いか分からないと思います。

人に質問しようにも、今自分がどこで困っているか分からないと思います。

私の場合、個人事業に関する本を買って、全体像を把握しました。

ネットショッピングでも、本屋でも売っているので、一度目を通された方が良いです。

全体像を把握しないのは、地図を持たずに見知らぬ土地を旅するのと同じです。

「人の不幸で飯を食う」仕事

言い方は悪いですが、カウンセリングなどの「人の不幸で飯を食う」仕事は、一般的なサービスを提供する仕事とは目的が違います。

一般的なサービスを提供する仕事は、良いサービスを提供して、お客さんに気に入ってもらい、リピートしてもらうことが目的になります。

しかし、「人の不幸で飯を食う」仕事は、迅速に悩みを解消し、リピートを必要最小限に抑えることが目的になります。

一般的なサービスを提供する仕事とは、180度違います。

この辺りを理解していないと、だらだらと通所させたり、目的無くリピートさせたり、相談者さんに不利益を被らせるかもしれません。

三方よし

とはいえ、慈善団体ではないので、ある程度利益を出さなければ、事業は続けられません。

さらに、自分の生活も掛かってきます。

近江商人の考え方で、「三方よし」というものがあります。

「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。近江商人の心得をいったもの。

goo辞書

このバランス感覚は、「人の不幸で飯を食う」仕事をしている人にとって大切な考えだと思います。

カウンセラーの前に、一人の経営者になる

カウンセラーが開業するということは、ほとんどの場合「もっとカウンセリングをやりたい!」という思いからだと思います。

どこかの組織に勤めていると、分業されていますし、自分の苦手な作業は他人に依頼することができます

しかし、開業すると経営者という役割も追加されるため、当然事務作業もこなさないといけません。

業務全体の6割は、税金や経理などの事務作業です。

私の印象ですが、カウンセラーは元々お金に関心がなかったり、苦手な人が多いように感じます。

諦めて一から税金や経理の勉強をするか、経営的に余裕があるなら税理士など専門家にお願いしたり、それ専門の人を雇うしかありません。

ちなみに、私は開業するにあたり、経営的に余裕も無いですし、「必要最低限の知識は必要だ」と思い、FP3級と簿記3級は取りました。

結構役立っています。

お金に関する法律や制度も変わるので、常にアンテナを張っとく必要があります。

更新日

2024年11月13日